医療・介護・保育分野における「適正な有料職業紹介事業者の認定制度」とは?
医療・介護・保育分野における求人者(医療機関・介護施設・保育園等)が、有料職業紹介事業者の利用に際して、あらかじめサービスの内容や品質、その費用等についての概要を知ることができ、その上で適正な事業者を選択できるようにすることを通じて 、医療・介護・保育分野における人材確保及びマッチングの質向上に貢献することを目的として発足した認定制度です。
「お祝い金を支給しない」などの法令を遵守していることはもちろん、「取り扱い職種別に手数料を公表している」、「転職活動を濫りに助長するような不適切な広告表現・広報活動を行っていない」などの一定の基準を満した有料職業紹介事業者を「適正な有料職業紹介事業者」として認定しています。
運営組織について
「適正な有料職業紹介事業者の認定制度」は、厚生労働省委託事業として運営されている制度です。主としてガバナンスを担う「協議会」と、認証を担う「認証委員会」を中心に、協議会を補助する組織として、「検討部会(令和3年度限定)」、「情報連絡会」、「事務局」にて運営されています。
- 協議会
- 令和2年度厚生労働省委託「職業紹介事業の適正化推進事業」における医療分野・介護分野・保育分野それぞれの協議会によって提言された「適正な有料職業紹介事業者の基準」をベースとした認定制度の構築・運営・改善などのガバナンス全般を担います。労働関連法等を専門とする有識者、医療・介護・保育の業界団体から選出された委員によって構成されています。
- 認証委員会
- 審査結果の認証及び認定事業者の公表など、認証実務全般を担います。労働関連法等を専門とする有識者及び、労働者代表団体、使用者代表団体から選出された委員によって構成されています。
- 検討部会
- 認定制度構築に向けて、制度詳細の検討や協議会への意見の上申を担う、令和3年度限定の組織です。医療・介護・保育の業界団体から選出された委員によって構成されています。
- 情報連絡会
- 協議会での決定事項の共有及び周知施策・顧客満足度調査等の実施に関する意見の協議会への意見具申を目的に設置された組織です。医療・介護・保育の業界団体と有料職業紹介事業者から選出された委員によって構成されています。
- 運営受託団体
(令和4年度)
- 一般社団法人 日本人材紹介事業協会(人材協)が受託、事務局業務全般を担います。
審査コンセプト
本認定制度の審査にあたっては、以下の審査コンセプトを定めています。
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事業者が適正基準(必須基準・基本基準)を満たしていることを、下記観点を担保しつつ確認できること
▶中立性及び第三者性の担保 ▶審査員が一定の基準で判断ができること
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「一部の優良な事業者」を選ぶのではなく、基準を満たす適正事業者を求人者が選択できるようにすること、また、小規模な事業者でも認定を受けられるように設計すること
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審査をするだけではなく、求人者の苦情や評価をフィードバックすることで、事業者が適正なサービスを展開していくこと、サービス品質の維持、改善を促進していくこと