人材協について
2023年度第1回QPI
(2023年7月実施)の結果
実施時期:2023年7月、対象期間:2023年4月~6月、有効回答数:88会員(全体の35%)
Q1
直近3か月間の人材紹介による就職決定数について、
前年同時期との比較ではいかがでしょうか
- <コメント>
- 「大幅に改善」に「やや改善」を加えると、回答会員の60%が前年同時期と比較して改善している。一方で「やや悪化」に「大幅に悪化」を加えた会員の割合も約10%を超えており、取扱分野や従事者の変動等も関係している可能性がある。
上記の結果となった要因は何でしょうか
(上位6項目)
-
1位 求人件数が増えた
56.3%
-
2位 求職者が増えた
32.2%
-
3位 求職担当の社員(従事者)が増えた
23.0%
-
4位 求人担当の社員(従事者)が増えた
17.2%
-
5位 求職者が減った
12.6%
-
6位 要員の配置転換を行った
12.6%
- <コメント>
- 「求人件数の増加」が就職決定増加要因とする回答が5割以上に上り、「求職者の増加」も3割を上回った。これに、「求職担当者の増加」、「求人担当者の増加」と続いており、従事者が充足していることも重要な要因であると考えられる。
Q2
直近3か月間の人材紹介による就職決定数について、
3か月前との比較ではいかがでしょうか
- <コメント>
- 「大幅に改善」に「やや改善」を加えると、回答会員の44%が3か月前と比較して増加していると回答しているが、上記Q1の前年同時期比較との関係では、就職決定数の伸びが鈍化し、「やや悪化」と「大幅に悪化」を加えると2割を上回る結果となっており、悪化傾向が見受けられる。
上記の結果となった要因は何でしょうか
(上位6項目)
-
1位 求人件数が増えた
42.0%
-
2位 求職者が増えた
28.4%
-
3位 求職担当の社員(従事者)が増えた
18.2%
-
4位 求職者が減った
17.0%
-
5位 求人件数が減った
12.5%
-
6位 求人担当の社員(従事者)が増えた
10.2%
-
6位 内定までの期間が延びた
10.2%
- <コメント>
- 「求人件数の増加」が42%、「求職者の増加」も28%となり、就職決定数増加の主な要因となっている。一方で、就職決定数悪化要因としての「内定までの期間が延びた」とする回答が1割を上回ったのも特筆すべき点である。
Q3
3か月先を展望した場合の業況(就職決定数)は、
どうなっていると思いますか
- <コメント>
- 今後3か月先の展望については、これまでの業況よりも慎重な見方が増加しており、「大幅に増加」は5.7%に減少。「悪化」を展望する回答は少ないものの、「現状維持」が増加。先行きの不透明さはあるものの、現状は維持したいという意向を反映した結果となった。
上記の結果となった要因は何でしょうか
(上位6項目)
-
1位 求人件数を増やす
43.2%
-
2位 求職者を増やす
39.8%
-
3位 求職担当の社員(従事者)を増やす
27.3%
-
4位 求人担当の社員(従事者)を増やす
14.8%
-
5位 求職者が減る
13.6%
-
6位 募集媒体費を増やす
10.2%
- <コメント>
- 回答の多い順に「求人件数を増やす」「求職者を増やす」「求職担当の社員(従事者)を増やす」「求人担当の社員(従事者)を増やす」と続く。5番目には就職決定数減少要因の「求職者が減る」があげられている。業績を上げるために「募集媒体費を増やす」という回答が6番目に入った。
Q4 現在の人材紹介事業の運営上の課題は何でしょうか
- <コメント>
- 「求職者の確保」が71.6%と群を抜いて多くを占めた。これに「若手社員の育成・教育」が39.8%、「社員(従事者)の採用」が30.7%と続き、従事者の教育や採用が極めて大きな課題であることが明らかになった。
Q5
「人材紹介事業の運営上の特徴的な事象」として
数多く寄せられた意見・特筆すべき典型事例等をピックアップしました<設問の内容>
直近3か月間に生じた人材紹介事業の運営上の特徴的な事象についてご記入ください(自由記入)
- 求人の年齢条件の幅が広がっており、給与条件も全体的に改善されている印象。
- 人材集客が苦戦している。
- 求人数:増加、求職数:増加、内定決定率:低下、面談決定率:横ばい。成長曲線がやや鈍化している。内定までは一定のレベルで出ているが内定決定率は低下している。求人者側への精度は高いが求職者側へのそれは今ひとつと言える。新入社員も多く加入したことで今後の教育が課題。
- 企業への直接訪問の機会が増えており、対面での接点数が増加。それに伴い求人数に関しては順調に伸びている。一方で求職者数は横ばい。
- コロナが第5類に分類された影響もあってか、昨年に比して転職に対して前向きなビジネスパースンが増えてきている傾向を感じる。
- 法改正対応(求人表記など)は積極的に実施している。新卒入社もあり、教育・育成を重視している。医療福祉業界への風当たりの強さを痛感している。社員の採用、育成、定着について、自社メリットだけでなく顧客満足度視点からも非常に重要と考えている。
- IT人材の採用ニーズの継続。人材各社でIT人材確保の競争激化。Web広告やTVCMなど広告出稿の競争激化。
- 書類通過率:低下、内定決定率:低下。設計した成長曲線からはやや鈍化。地域としてのマーケットの問題なのか社内精度の問題なのか。新入社員が配属されたタイミングでもあるので、社員教育強化による全体的な精度向上が課題。
- 求職者対応としてのリスキリング体制の構築等について検討を開始。マッチングに際してのスキルの「見える化」について実証を開始。
- ディジタル化、データ化等の進展による雇用環境の変化が生じている。そのことにより、求人の業種、職種が大きく変化し始めている一方で、それに見合う的確な人材サーチが難しくなっている。
- 労働者派遣事業も行っており、派遣労働者を派遣先へ直接雇用させることで紹介手数料を得ていたが、派遣労働者の働き方が多様化しており、従来の週5日勤務から週2~3日程度勤務の割合が増加していることから、派遣労働者を派遣先へ直接雇用させることが難しくなってきている。
- 新卒と中途採用で従業員を増やしたものの、若手の育成が遅れているため、採用基準の見直し、テコ入れが必要と考えている。
- 以前は、派遣期間は、派遣先がスタッフを見極める期間だったが、現在は、スタッフが、業務内容・職場の雰囲気等を見て、判断するスタッフ主導型になっているように感じている。若い方の仕事に対する考え方が、給与より、働き方や自由な時間のキープの仕方に重点を置くようになってきているように感じる。
一般社団法人日本人材紹介事業協会
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