人材協について
会長ご挨拶
一般社団法人 日本人材紹介事業協会
会長 林 徹郎
新年 明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、良いお年をお迎えのことと謹んでお慶び申し上げます。旧年中は、当協会の運営に関し、多大なご支援、ご鞭撻を賜り、有り難く厚く御礼申し上げます。
昨年は、デフレ経済からの脱却や成長と分配の好循環に向けて、政府主導の取組みも実行され、新たな兆しが垣間見える一方で、世界的には、政情の不安定な状況に伴い、エネルギーや食糧問題、地政学的なリスクの継続、加えて円安傾向が常態化するなど、企業と人を取り巻く環境の不透明感は払拭できない状態が継続する一年でもありました。
わが国の労働・雇用を取り巻く状況は、引き続き、生産年齢人口の減少という構造的な問題による労働力不足と景気の堅調な推移の中で、IT分野、サービス関連業種をはじめ、金融や建設不動産分野など全方位に求人が活発になり、特にミドル、シニア層の求職者の人材紹介成約件数が伸びる傾向も見られ、大手3社の2024年度上期の人材紹介成約件数においては前年同期比114.6%と、引き続き堅調な拡大が見受けられます。一方、会員の皆様へのアンケート調査「人材協QPI」では、求職者確保の難易度が高まっていることや、求職者募集コストの増加といった皆様からのお声もいただいております。
本年は、底堅い企業業績に伴い、企業における人材確保の課題は、昨年以上に一層重要性を増してくるものと思われます。経済の成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」政策が展開される中で掲げられた「三位一体の労働市場改革」に伴って、企業には、労働環境のより一層の改善や多様な働き方の推進が求められています。この改革により、企業はより柔軟な人材戦略の構築を模索するとともに、そこに従事する人々は自身のライフスタイルに応じた多様な働き方を可能にしつつあります。成長分野への円滑な労働移動の促進は今後更に求められ、多様な個人の志向を適格な紹介によって求人者に繋ぐ職業紹介事業への期待が、これまで以上に高まるものと考えます。
人材協では、昨年度から「人材紹介ビジネス」の事業価値の向上に向けた紹介事業者の今後のあるべき姿や、人材協のあるべき姿について検討する「未来プロジェクト」に取り組んで参りましたが、現在は最終的な取りまとめの段階に至っております。また、今後の方針・施策を策定するにあたって、職業紹介におけるAIをはじめとするデジタル技術の活用についての研究・検討と、業務委託者や経営者等の雇用に該当しない人材のあっせん(雇用類似のあっせん)についての研究・検討が必要と判断し、「デジタル技術研究会」と「雇用類似研究会」の2つの研究会を創設することとなり、未来に向けた議論を更に進展させる所存です。
人材協は、業界に対する社会からの信頼に応えることはもとより、職業紹介事業に携わる皆様からの期待に応え、会員相互の情報交換の場の継続的な提供を行うとともに、「人材協QPI」で挙げられた「従事者の育成」という課題にお応えし、教育研修やセミナーの拡充を実行します。また、ここ数年、ホームページ等による情報提供機能の強化を図って参りましたが、更に利便性を向上させ、職業紹介業界全体の一層の発展に努めて参ります。
2025年1月吉日
一般社団法人日本人材紹介事業協会
(略称「人材協」)事務局へのお問合せ